タロットの本を開くと、いつも最初に目を引くのは大アルカナ。
「魂の旅の物語」として有名で、人生そのものを映しているような壮大さがありますよね。
でもある日、ふと気づいたんです。
小アルカナにも──しかも、エースから10までの数字のカードにも──ちゃんと“物語”があるんだ、ということに。
気づいたのは、ふとした瞬間
それは、いつものようにタロットの本をめくっていたときでした。
何度も読んでいるはずのページなのに、急に視界が開けるような感覚があったんです。今更気が付いたというべきか…。
「これって、数字の順に並べると、ちゃんとお話になってるじゃない?」
たとえば、ワンドの物語です。
情熱に火がつき、勢いよく走り出す主人公。
やがて試練や葛藤にぶつかり、それでも進み続け、
最後には、すべてを背負ったままたどり着く“悟り”のような場面で終わる──。
小アルカナ特有の生き生きとした人間模様とその世界が描かれています。
それまで私は、カード1枚1枚を暗記するように“静止画”として読んでいました。
でも、物語として並べた瞬間、それは一気に“動画”になったんです。
その場面に至るまでの背景や心の揺れまでが、映像のように浮かんでくる。
繋がってくることで、カードをめくるおもしろさも、更に増したのです。
同じ「10」でも、結末はまるで違う
この気づきのあと、あらためてスートごとの物語を順番に読んでいきました。
すると、最後の「10」のカードで物語の結末がまったく違うことに驚きました。
カップの10は、喜びに満ちた家族や仲間とのあたたかなつながり。幸福感に満ち穏やかな心境へ。
ペンタクルの10は、積み上げた努力が実を結び、守るべきものを受け継ぎ、物質的にも精神的にも安定した終わり。
ワンドの10は、情熱を抱えすぎて重荷になり、それでも前へ進むも、自分だけでは抱えきれないのだと“悟る”。
そしてソードの10は、暗闇の中に差し込む光──終わりと始まりが同居する、張り詰めた静けさに、気づきの光が現れ次のステージへ。
「同じ10でも、こんなに違うんだ…」
この発見は、それぞれのスートの性格をくっきりと見せてくれました。
物語の中の登場人物たち
そして、A〜10までの物語を彩るのが、コートカードたち。
ページは好奇心いっぱいの新人、ナイトは行動力にあふれる若者。
クイーンは成熟した受容の力を持ち、キングは経験を糧に全体を見渡す統治者。
まるで物語の中の登場人物のように、それぞれが違う視点でストーリーを語ってくれるのです。
ときには、主人公の背中を押し、ときには立ちはだかる存在として。
「このカードは物語のどの場面だろう?」
今はカードを引くたびに、必ずこの問いが浮かびます。
ソードの7なら、それまでに何があって、なぜこの行動を選んだのか。
カップの9なら、一人の満足と、その先のカップ10との違い。
そうやって考えると、カードはただの絵柄ではなく、
呼吸をして、感情を持って、こちらに話しかけてくる存在になります。
まとめ|タロットはいつも物語を語っている
以前の私は、「意味を覚えること」に一生懸命でした。
でも今は、「このカードは物語のどのあたりにいるのか?」を感じながら読むようになりました。
幸せな結末もあれば、厳しい結末もある。
けれど、そのどれもが“物語の一部”であり、”通過点”。まさに人生のよう。
そこにこそ学びがあるのだと思います。
この記事を書きながら、もうひとつ気づいたことがあります。
それは「知っている」と「実感できている」の間には、想像以上に大きな距離があるということ。
本を読んで頭ではわかっていたことでも、自分の中で「腑に落ちる」瞬間が訪れると、カードの意味はまるで別物のようにぐっと生きてきます。
そして、その“気づきの瞬間”は、勉強を始めたばかりの頃だけでなく、何年経っても訪れるのだと思います。
だからこそ、タロットとの付き合いはおもしろく、奥深い。
これからもきっと、新しい物語の読み方や、自分なりの発見があるはずです。
それをまた、この「占い読み物」でお話ししていきたいと思います。
※この記事は、筆者の個人的な体験と感じたことをもとに書いています。
タロットの読み解きにはさまざまな解釈があります。
ご自身の感覚に合う部分を、ひとつの視点として楽しんでいただければ嬉しいです。
関連記事はこちら
✅繰り返し出るカードの読み方の体験談とは?
タロット・ワンオラクルで「力」の逆位置が3回連続!その意味と私の体験談
✅初めてのオラクルカードの体験談とは?
【はじめてのオラクルカード】占い初心者でも大丈夫?やさしいカードの世界と選び方
✅こんな風に勉強しています。
【50代主婦のタロット独学スタート】初心者でも読みやすかった1冊とノートの工夫
✅ 50代だからこそ考える“死生観”とは?
【葬式って誰のため?】派手に送りたい夫と静かでいい私、家族でも違う死の感じ方
コメント