働く現場で感じた「断れない」悩みと出会ったヒント
働く現場で、「NOと言えない」「つい引き受けすぎてしまう」──そんな経験はありませんか?
私も50代で派遣として働く中、断ることが苦手で、自分の限界を超えて仕事を抱え込み、心身ともに疲れてしまうことがありました。
そんな私が出会ったのが、アサーティブなコミュニケーション。
相手を尊重しながら、自分の意見や気持ちもきちんと伝える方法です。
この当時はまだ「アサーティブ」という言葉を知りませんでしたが、職場にひとり、まさにアサーティブな後輩がいました。
断ることはしなくても、「こうしたい」という希望や提案をはっきりと伝えられる人。
その率直さに、素敵だなと思ったものです。
一方で、先輩の中には、上手に後輩に仕事を振り、自分の限界を超えない働き方をしている人もいました。
当時は「要領がいいな」と感じましたが、今ならそれが大事な自己管理スキルだったとわかります。
この記事では、「断れない」「抱え込みすぎる」働き方から抜け出すために、
私が学んだアサーティブな伝え方を、派遣での実体験やホロスコープの視点も交えて紹介します。
次の職場で活かしたいなと思っている実践ポイントもまとめてみました。
よかったら参考にしてみてくださいね。
組織が回らない責任感 vs 自分の限界
以前の職場は新規立ち上げのチームで、業務量と複雑さに対して人数が足りない状態でした。
一人が何役もこなすのが当たり前で、「やらなければ回らない」という状況。
「今度こそ辞めずに頑張りたい」という気持ちと、同じ派遣仲間との助け合いの雰囲気に支えられ、振り返ればつい、無理をしていました。残業が20時までの日も少なくありませんでした。
改善を求めてもなかなか変わらず、3年目にようやく人員が増え、工程ごとに業務が分けられました。
しかし古株の私は相変わらず重い案件を引き受ける立場がほとんど。
頼られるのは嬉しいけれど、それは同時に自分の負担を増やすことでもあります。
しんどさがわかるからこそ引き受けてしまう──
でも長期的に見れば、自分にも組織にも良い影響はなかったのだと今は感じています。
「アサーティブ」ってどんな話し方?
アサーティブの基本
アサーティブとは、自分も相手も尊重しながら意見を伝える話し方のこと。
我慢して飲み込む(受け身)でもなく、押し通す(攻撃的)でもない、ちょうどいい自己主張です。
日常でのアサーティブ例
- 「今日は予定があるので、この仕事は明日対応します」
- 「その案も良いと思いますが、私はこう考えます」
このように、相手を否定せず、自分の考えも率直に伝え、代替案を示す。
これは、アサーティブの特徴です。攻撃的・受け身との比較を表にしてみました。
攻撃的・受け身との比較
スタイル | 特徴 | 相手への影響 |
---|---|---|
攻撃的(アグレッシブ) | 自分の意見を押し通す | 相手が萎縮・反発しやすい |
受け身(パッシブ) | 自分の意見を言わず相手に合わせる | 自分の不満が溜まりやすい |
アサーティブ | 自分も相手も尊重しながら意見を伝える | 建設的な関係が築ける |
学び直した“伝え方”──アサーティブ
断り方の3タイプ
研修で学んだのは、断り方には3つのパターンがあるということ。
- ドカンタイプ:感情的に拒否してしまう
- おろおろタイプ:迷いながらも結局引き受けてしまう
- チクチクタイプ:やるけれど嫌味をこぼしてしまう
私は完全に「おろおろタイプ」。
断れない→抱え込む→疲弊…という悪循環を繰り返していました。
アサーティブな断り方の実例
断る=冷たい、ではありません。私もつい、相手に申し訳ない問う気持ちがあって断れませんでした。
しかし、相手を尊重しつつ、自分の状況や限界を率直に伝えることで、むしろ信頼を損なわずにすむのだと思います。
以下は、私が職場で使えそうだと感じた言い方の例です。
1. 期限や優先順位を明確にする
(例:他部署から急ぎ案件を頼まれたが、自分も締め切り間近の仕事を抱えているとき)
「今の案件が終わる◯時以降なら対応できます。それまでの間は別の方にお願いできますか?」
2. 代替案を添える
(例:今日は会議や入力作業で一日いっぱい埋まっているとき)
「今日は手一杯ですが、明日の午前中なら可能です」
「その部分は○○さんが担当していたので、お願いしてもいいでしょうか?」
3. 状況を簡潔に説明する
(例:複数の重要業務を同時に依頼されたとき)
「今、〇件の作業を抱えており、これ以上は品質を保てなくなります」
「同時進行だとミスの可能性が高くなるため、順番で進めたいです」
4. 相手の立場も認める
(例:相手が上司や取引先で、急ぎの依頼をしてきたとき)
「急ぎで必要なのは理解しています。ただ、今のリソースでは今日中は難しいです」
5. 曖昧な返事を避ける
(例:つい引き受けてしまい「たぶんできる」と言いそうになったとき)
「できるかもしれません」ではなく「〇日ならできます」「今回は難しいです」と具体的に答える
できることとできないことを明確にし、代替案を添えるのがポイントです。
ホロスコープ観点から見た私の傾向
占星術でいう「火星」は、行動や怒りの出し方を表します。
私の場合、火星が“ため込みやすい”位置にあり、怒りを出すことに罪悪感を持ちやすい傾向があります。
そのため、自分の気持ちを抱え込んで、そして限界近くまで思い悩み、しかも改善できずにその場を去るということが多かったのです。これは家庭内でもありましたし、仕事の場でもあったと思います。
アサーティブは、私にとって怒りをため込む前に言葉で伝える練習でもあります。
星の配置から自分の癖を知り、それを改善する行動としても、アサーティブを活用できると実感しました。
まとめ:「がまん」ではなく「伝える」選択を
今日からできる小さな一歩は、「すぐに返事をしない」こともいいかもしれません。
まずは「状況を確認してからお返事します」とワンクッション置くだけでも、落ち着いてアサーティブな伝え方が選べるようになります。
「断れない」「嫌われたくない」という気持ちは自然なものです。
でも、自分の限界を超えてまで引き受けることは、結局は自分にも相手にも良くありません。
前の職場では、アサーティブに伝えることができず、知らず知らずのうちに疲労が積み重なり、それが辞める理由のひとつになったかもしれません。相手にはこちらのそんな気持ちは伝わっていなかったと思います。もしも伝えることがその都度出来ていたら…?
もちろん退職については、親の入院が一番大きな理由でしたが、もし率直にその都度状況を伝えることができていたら心の疲弊度はずっと低かったでしょう。
そうなれば、退職するという選択もなかったかもしれません。
アサーティブという考え方を知り、私は「がまん」よりも「伝える」を選んでいきたいと思うようになりました。今後は、自分の限界や希望をきちんと適切なタイミングで、率直に伝えられる働き方を意識していきたいです。
次の職場が決まったら、この姿勢を忘れず、自分も相手も大切にできる働き方をしていくのが目標です。
※本文中のホロスコープに関する記述は、あくまで私自身の感じ方や自己分析の一つであり、特定の効果や結果を保証するものではありません。
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