はじめに
40代から再び働き始め、気づけばコールセンター歴10年以上。
今回は、私が長く続けることができたコールセンターでの発信業務の経験を、当時のエピソードとともにご紹介します。
「主婦でもできるかな?」「発信って大変そう…」と不安な方に向けて、
実際の仕事内容・向き不向き・リアルな苦労と学びを正直にお伝えします。
派遣や契約社員としての職歴(ざっくり)
新卒入社をのぞく、これまでの勤務歴は、こんな感じです:
- 銀行コールセンター(6年)
- 保険会社コールセンター(3ヶ月)
- 銀行系コールセンター(2週間←やや夜逃げ退職)
- 保険会社の電話多め事務(9か月)
- 保険会社の事務(1日←夜逃げ退職)
- 金融系事務(4か月)
- 銀行コールセンター(1年)
- 銀行融資事務兼コールセンター(5年目、現在に至る)
詳しくはこちらの記事にて
【アラフィフ転職×占いの体験記】天中殺と派遣迷子を経て見つけた「自分らしい働き方」
最初の派遣登録、そしてコールセンターへ
当時は夫の単身赴任中。次男が小3、長男の塾代に加え、当時一番夢中だった趣味(←お高いスケート観戦)で家計もギリギリ。
そんな私でも働ける仕事はないかと考えていた時期、短期間ですがママ友の紹介で宅配の配達やピザのチラシ投函なども経験しました。午前中だけの屋外仕事です。
その結果実感したのは…「私は屋外より、冷暖房のある屋内ですぐトイレに行ける仕事がいい!」ということ(笑)
そこで登録したのが、大手銀行グループの経営する派遣会社でした。
簡単な筆記試験(語彙・計算・社会常識・PC知識)と面談のあと、紹介されたのが運用商品のコールセンター。
「ここは誰も辞めない、人気の職場なのよ」
という担当者の言葉に背中を押され、挑戦を決意。結果、6年も続く長期勤務となりました。
金融系コールセンターの実情:まずは資格が必要
発信とはいえ、扱うのは運用商品。
そのため、金融系の資格が必要です。
私は未経験・無資格だったため、まずは証券外務員の資格を取るところから始まりました。
- 二種は合格!
- 一種は…二度目で合格(汗)
当時42歳、久しぶりの仕事で緊張の中、子育てと家事の合間に勉強するのは本当に大変でした。
けれどこの経験が、その後の転職活動でしっかり生きてきます。
同期は銀行・証券会社出身の同世代のママさんたち。とても良い人たちで、励まし合いながら頑張れたのが大きかったです。
発信業務の現場はこんな感じでした
主な業務は、リストに沿っての発信。
中高年層のお客様に、運用商品の案内(関心の有無の確認)やセミナーのご紹介をするお仕事です。
社員SV(スーパーバイザー)とロールプレイを行い、実践に備えました。
座学では「笑声(えごえ)」やメラビアンの法則など、電話ならではの知識も学びます。
実際の現場では、
- 明るく元気に切り込む若々しい感じの人
- 落ち着いた声で安心感を与えるようなトーンで話す人
- きびきびと歯切れよく軽快に話す人
個性は本当に人それぞれ。自分の個性に合わせて「自分なりの話法」を育てていくのが、この仕事の面白さでもありました。
コールセンター研修でも学ぶ「メラビアンの法則」と「笑声(えごえ)」とは?
電話対応の研修でよく登場するのが「メラビアンの法則」。
これは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した理論で、人がコミュニケーションの中で相手に与える印象は、言葉の内容だけでなく、“声の出し方”や“見た目”に大きく左右されるというものです。具体的には、第一印象の内訳は以下の通りだそうです。
- 視覚情報(見た目・表情など):55%
- 聴覚情報(声のトーン・話し方など):38%
- 言語情報(話の内容):7%
電話では「見た目」=視覚情報が使えないため、声の印象=38%が、実質ほぼすべてになります。ここで意識されるのが、「笑声(えごえ)」です。
これは「笑顔で話す声」という意味で、コールセンターや接客業界でよく使われる言葉です。
実際に顔が見えなくても、笑顔で話すと声が自然に明るくなり、相手に親しみや安心感を与えることができます。実際コールしていて、“笑って話しているかどうか”は、声の温度に出ると実感しました。
小心者な私でもできた!発信業務に必要な力とは?
私はどちらかというと小心者。
なので、準備せずに電話をかけるのは無理でした。
- 顧客履歴を読み込み
- 想定問答を考えて
- 怒られた時の切り返しを用意してから発信
そんなふうにして、安心材料を自分で整えてからかけていました。
この仕事で得たものは、まさに
✔ 度胸
✔ 忍耐力
✔ 根気
✔金融業界特有のコンプライアンス意識や情報リテラシー
でした。忍耐力の中には、なかなか出てくれないのにひたすら架け続けるということも含まれます。
このご時世、高齢者の方は特に電話に出ない傾向が強いのです。悪質なセールスが多いから無理もないことですね。だから出ると驚いちゃったりすることもあったり(笑)
私が退職した後は、家の電話でなく携帯にかけることも増えたそうですよ。
お客様に有益な情報をお伝えしたい、お困りごとがないか確認したい、という気持ちで架けているので、お時間あるときには出ていただけるとありがたいですが…なかなか難しいかもしれません。今はメールやLINEの時代ですものね。
金融業界特有のコンプライアンスやリテラシーについては、ここで身につけられたおかげで、後に転職した際に強みとして履歴書に書くことができました。
同じ金融業界ではなくても、金融出身は安心されるのだと派遣会社の方に教えてもらいました。
コールセンターの力量は「経験値」で決まる
発信業務は、慣れれば慣れるほど楽になります。かけるリズムが出来てくるのです。
話すことに自信がなくても、経験と反復で電話体質が作られる。
実際、先輩たちのほとんどは「努力と経験」で力をつけていました。
これは未経験の方に伝えたいことですが、センスがある人もいるけど、要は場数です。
コールセンター勤務が長続きしたのは
この職場が長続きしたのは、人間関係の良さが大きいです。
発信コールセンターは各自がやっていくお仕事スタイル。誰かと連携することはない為、そこが気楽です。
ノルマがあるコールセンターもありますね。
ここは、コール件数のノルマはありましたが、営業成績のノルマはありませんでした。
そして、コールセンターはお休みもしやすいです。
全員の人数さえ足りていれば(一日何人出勤すること、というのがある。これはSVさんの管理)急なお休みでも、誰かに負担をかけるストレスがないです。
これは働く主婦にはとてもいいと思います。
向き・不向きというくくりで考えるならば、向いている人は根気や耐性がある人、ということかもしれないです。度胸は前出のように場数でついてくると思います。
受電業務については、次回詳しく!
ここでは受電はあまり担当しませんでしたが、後に受電メインのコールセンターにもチャレンジすることになります。
発信とはまた違う、大変さと学びがありました。
次回はその経験について詳しく書きますね。
おわりに|主婦だからできた。主婦でもできた。
「特別なスキルがない自分でも、できる仕事はあるのか?」
そんな不安からスタートした再就職でしたが、今では自分の中に積み重ねた電話対応力がひとつの武器になったと感じています。これは占いカウンセラーを目指そうと思ったことにもちょっと繋がります。
コールセンターはとても大変だけど、時給も高め。人と話すのに抵抗がない、声で印象を伝えたいという人には、向いている仕事です。
これを読んで「自分にもできそう」と思えた方がいたら、嬉しいです。
次回予告
【受電メインのコールセンターの現実】
その質問に答えられる?怒鳴られるかも?人間の深さが見える受電対応の裏側
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